10月16日(日)
イザベラ・バードが絶賛した山形県金山町を訪ねる(1)

10月16日(日)蔵王温泉のホテル樹林さんのご紹介により、私たちは何年か振りに秋田県境に近い金山町を訪ねることになった。 明治11年7月、イザベラ・バードは山形県金山町を旅した。山形県全体が、彼女により美しい場所と賞賛されている。その中でも金山町は『ロマンティックな雰囲気の場所』と表現され、現在もその美しい景観を保つ希有な町である。金山町は街並みづくり100年運動を行っている。

金山町は現在も、山形市からは車で行くしか交通手段がない。朝8時半に山形駅前を出発。133年前、バードが目にしたピラミッド型の山が車窓から見えると金山町である。山形市からは2時間のドライブとなる。

ピラミッド型の丘陵は、ピラミッド型の木で覆われている。その金山杉は町のシンボルであり、特産品。また豊かな山は清らかな水をもたらす。町を流れる堰にも、秋が訪れた。

典型的な金山式建築様式の【カネカ】さん。旧羽州街道に面し、美しい妻面を見せている。明治中期に大火があり、町並みはそれ以降に現在の様式を確立したもの。

カネカのご主人川崎氏に、金山町の歴史をお聞きした。川崎家は代々山林業を営み、後に呉服業も営むようになる。現在も店舗では洋服を販売。また川崎氏は、建築設計をしていらっしゃるとのこと。

二階の和室。硝子入りの雨戸は閉じられているが、開けば風通しのよい明るい部屋だろう。畳の上には厚手の渋紙が敷かれている。渋紙は大福帳などの和紙を柿渋で貼り合わせたもの。独特の風合いである。

玄関を入った左手は、たたきになっている。右手の居室と一体化しており、天井が高くサンルームのような心地よい空間になっている。

接続された蔵を中庭から見る。白壁と杉腰壁のコントラストが美しい。長くのびた鳥止まりは、金山式建築の特徴。柿がたわわに実り、豊かな秋を感じさせる景色だ。

カネカと羽州街道をはさんだ筋向かいに、蕎麦処【草々】がある。同年代に建てられた金山式建築。やはり入り口を入ると土間になっていて、居室で蕎麦を食べることができる。

草々の土間に飾られた、人力車。歪んだガラスも照明器具も当時のままである。一つひとつから明治時代の暮らしぶりがわかり、感慨深い。