平成24年12月8日
旧山寺ホテルの本館屋根葺き替え工事が終了しました 

JR仙山線山寺駅正面に建つ旧山寺ホテルを、何とか保存できないものかと考え始めてから5年の月日が流れました。所有者のご理解を戴くこと、構造的な検証を行うこと、雨漏りを止めること等為すべきことは沢山あり、都度ご相談、検討を試みました。しかし保存したいという気持ちだけで古い建物を維持することは、たやすいことではありません。

保存活用のきっかけとなったのは、平成23年の夏に開かれた「山寺祈りの芸術際」でした。4年間閉じられたままの旧ホテルが目を覚ましたのです。私たち研究会はこの時ホテルを訪れ、このまま建物を開き続けたいと強く思いました。長年閉じられていた空間に生きた風が通り、学生さんや所有者の方による清掃でよみがえった状況を見て、まだまだこの建物は生き続けることができると実感したものでした。

私たちはすぐに建物を借用するお願いをし、とりあえず2ヶ月間絵の展示館としてお借りすることができました。これにより山寺駅前の賑わいが少し戻ったような気がしました。そして建物が毎日掃除され、使われることで、元気になったような気がしました。

23年の冬はことのほか雪が多く、積もったままの雪は傷んだトタン屋根を通して天井を水浸しにし、一部の軒先は折れてしまいました。建物存続のためには、一刻も早く屋根の補修をする必要があります。私たちは雪どけの4月から再度建物をお借りし、維持管理させていただく申し入れを致しました。目的は、建物に日常的に風を通し、多くの方に利用して戴き、かつ屋根の補修を行うことです。
  山寺地区の皆さまや、所有者の武田さま、また研究会関連の方々にご協力を戴き、24年度の目標を達成することができましたことに心より感謝を申し上げます。

山寺ホテル正面入口

平成23年8月20日から9月4日まで、山寺地区において音楽や舞、美術品展示等の芸術際が行われた。旧山寺ホテルは、この時美術館として一時開館した。

山寺三番

山寺駅から見た旧山寺ホテル。正面左手が本館と居住部にあたり、青いトタンで葺かれていた。今回はこのトタンを撤去して、建設当時の木端葺きの上に防水シートを敷き、厚手のカラー鋼板を葺く工事を行った。

本館2階

大屋根の西端にある鬼瓦も、色が替わり復活した。大正5年の竣工時は瓦屋根はなく、木端葺き大屋根の左右に長い鳥止まりが延びていた。雨漏りを防ぐためには極力継ぎ目をなくし、一気に葺き替えることが望ましい。

2階客室

裏手の庭園から見た本館。竣工時はこちらが正面で、屋根は左右対称の美しい大屋根であった。昭和11年に左手の新館が増築され、セメント瓦が葺かれた。新館と本館は違った素材で接続され、西側の先端だけに鬼瓦が取り付けられた。

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